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双子がまだ5歳の頃の事。
外で育っている子は幼いながらにして…いや、幼いからこそ、両親の愛の乏しさに気付いていた頃。
両親は家から離れた所にある神社で神主と巫女として働いていた。
兄の隼人は毎日の事である学校に行っていた。
普通に育てられている子…一人で手鞠をして遊んでいる子は、奈穂という。
「一人じゃ、つまんない…」
近所の子は恐れ多く感じ、楽しく遊ぶことなど出来ないので、いつも一人。
そんなある日、同じく手鞠で遊んでいる子を見つけた。
といっても、手鞠をする時に歌う手鞠唄が聞こえてきただけ。
「何処だろう…一緒に遊べないの…かな」
聞いたことの無い声。
私が自己紹介さえしなければ、遊んでくれるかもしれない。
期待をして声の主を探すと、広い家の敷地の中にいた。
今まで入った事の無かった、物置の中からである。
「…こんな所で遊んで、怖くないのかな…」
今までは怖くて入れなかったのだ。
勇気を出して中へと入る。
すると…中には格子で区切られた部屋があった。
「…まるで牢屋のようだわ…」
「…誰?」
そう、奈穂が探していたのは、牢屋で育てられた香奈だったのである。
「貴方こそ…誰?
私と同じ顔…!?」
「分かった、奈穂でしょう?」
「何で知ってるの?」
「だって、私達は双子だもの」
奈穂が物凄く驚く。
「双子…?」
「そうよ、この家の伝説のせいで、私だけこんな風だけど…」
そこで、香奈が奈穂に全てを話した。
「えぇ〜…信じられない…」
「本当なんだからね!」
「そっか…だから…」
「?」
格子の近くに立って話していた奈穂が、急に黙り込む。
どうしたものかと、香奈が中の方から近づき、すぐ隣に立つ。
すると、急にキッと目付きの変わった奈穂が、香奈の首を締めた!
「えっ…?」
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