2 双子がまだ5歳の頃の事。 外で育っている子は幼いながらにして…いや、幼いからこそ、両親の愛の乏しさに気付いていた頃。 両親は家から離れた所にある神社で神主と巫女として働いていた。 兄の隼人は毎日の事である学校に行っていた。 普通に育てられている子…一人で手鞠をして遊んでいる子は、奈穂という。 「一人じゃ、つまんない…」 近所の子は恐れ多く感じ、楽しく遊ぶことなど出来ないので、いつも一人。 そんなある日、同じく手鞠で遊んでいる子を見つけた。 といっても、手鞠をする時に歌う手鞠唄が聞こえてきただけ。 「何処だろう…一緒に遊べないの…かな」 聞いたことの無い声。 私が自己紹介さえしなければ、遊んでくれるかもしれない。 期待をして声の主を探すと、広い家の敷地の中にいた。 今まで入った事の無かった、物置の中からである。 「…こんな所で遊んで、怖くないのかな…」 今までは怖くて入れなかったのだ。 勇気を出して中へと入る。 すると…中には格子で区切られた部屋があった。 「…まるで牢屋のようだわ…」 「…誰?」 そう、奈穂が探していたのは、牢屋で育てられた香奈だったのである。 「貴方こそ…誰? 私と同じ顔…!?」 「分かった、奈穂でしょう?」 「何で知ってるの?」 「だって、私達は双子だもの」 奈穂が物凄く驚く。 「双子…?」 「そうよ、この家の伝説のせいで、私だけこんな風だけど…」 そこで、香奈が奈穂に全てを話した。 「えぇ〜…信じられない…」 「本当なんだからね!」 「そっか…だから…」 「?」 格子の近くに立って話していた奈穂が、急に黙り込む。 どうしたものかと、香奈が中の方から近づき、すぐ隣に立つ。 すると、急にキッと目付きの変わった奈穂が、香奈の首を締めた! 「えっ…?」 . [*前へ][次へ#] |