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011


 
「どーするのぉー? この劇ぃ、すっごくグッダクダになってるんですけどぉ?」
「ッハ、始めからグッダグダだろ。こうなりゃもう、ババアが死んで財産は山分けっつーことでイイじゃねえか」

「竜夜雅陽。目上に対する口の利き方がなっておりませんね」

「それはそれは申し訳ゴザイマセーン。っつーか、一人抜けたなら俺も抜ける。鉄陽、赤祢、いるんだろうが。帰るぞ」
 
 ちょ、なんで勝手に舞台から降りてるんですか! 戻って下さいよ、雅陽元帥! フェリーは一時的に抜けただけですって! 後で戻ってきますからッ、ちょっとー!
 ナレーションの言葉も虚しく、椅子から腰を上げた雅陽元帥は勝手に舞台から降りてしまいます。同じように鉄陽や赤祢も舞台から降りて雅陽の後を追います。

「雅陽、いいんですかー。まだ劇終わってませんよ?」
「ふぁ〜……帰って一眠りしてぇ」
「全く。勝手なんだから」
 

 ………。

 かくしてラーラの夫役の雅陽が抜け…いえいえいえ、雅陽は急な仕事が出来た為に家に帰ってしまいました。


「では私もそろそろお暇します」


 って、菊代大祖母さまッ、貴方様まで何処へ行かれるのでしょうか?! え? お仕事があるから帰る? せめて劇が終わるまでー…そうですか。そうですか。お疲れ様です。
  
 ということで菊代大祖母さまも、都合上お帰りになってしまいました。
 しかし遺産相続人がまだ決まっておりませんので、お話は続行します。させて頂きます。
  
 
「意地でも続けるのね…劇。もう他の劇しましょうよ」
 
 
 そんなラーラ様、殺生なことを仰らず。

「そうですよぉ、ミレイユ、今から檸檬隊長を呼んできますぅー。二人で『ロミオとジュリエット』をしたぁーい!」
「フッ、では僕は『アラジン』をしたいな。僕が主役をすれば、きっと大ヒット間違いなし!」
 

 嗚呼、もう遺産相続とかそういう話は皆、無視し始めていますね。


「ううっ…目がしみるッ…でな、こうやって…タマネギをッ、ううっ、目がイテェー」
「……サラ、お前が泣いてどうする」
「だってっ、しみるんだぜッ…イッテェ」
 
 一生懸命タマネギを切りながらサラが涙を流しています。フェリーは途方に暮れているようです。

 



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あきゅろす。
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