Others
10
「………ど、うしつ…?」
今更青ざめたって遅いっつーの。
うちの学校の寮は、基本二人部屋。
例外は、学年が奇数人数だとか、同室者が退学休学したとか以外は、別フロアの役員連だけ。
代々人気の高い生徒会及び、風紀委員長、副委員長は、役員フロアで個室が認められている。
あ、役員本人が拒否した場合は、別に役員フロアに移らなくてもいいらしい。
強制では無いんだねー。
だから足利先輩は一般フロアだったりする。
堅苦しいのや特別待遇が苦手な模様。
「お前のファンの子にはしてねーから安心しろよ。数少ないノンケの良い奴だからさ。」
足利先輩が大らかに笑うが、書記は顔を強張らせたまま。
震える手を握り締めて、彼は声をしぼりだすように呟いた。
「……いや、だ。……いや。」
青い顔でかぶりを振る書記に、オレは苛々が募る。
自分でも驚く位、冷えた声がでた。
「……アンタの言い分とか、もう関係無いし。」
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!