Others 9 書記は、憎悪か憤怒か分からないが、刺さりそうな瞳でオレを睨み付けているが、口を開く事はない。 「…………反論は無いみたいですねー?」 ほとほと呆れ果てたオレは、もう一度書面を彼の眼前にかざした。 「…さっさと署名して下さい。…あ、あと此処の荷物も早急にまとめてくださいね。」 オレがヤル気なさげにそう付け足すと、書記は、訝しげに眉をひそめる。 ……普通に考えれば、思い至りそうなモンだけど、ここまで言ってピンとこないとか、どんだけ〜? この人…ってか、この人達、本当に何も考えてないんだな。 ハァ、とわざとらしくため息をついて、オレは書記と視線を合わせた。 「…あのね、此処は『役員フロア』ですよ?……つまり、役員で無くなった貴方には、居る資格が無いって事。」 幼子に言い聞かせるみたいにオレは、分かる?、と重ねて聞いた。 「ちなみに、御厨は同じクラスの奴と同室になるようにしてあっから。」 追い討ちをかけるような足利先輩の言葉に、漸く事態を飲み込めたのか、書記の顔色が変わった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |