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※墨田視点です。


「…君が付いて来てるから、黒も探してるのかなぁって、予想してたんだけど。」


志藤は、そう呟いた。


「……。」


「そうじゃないみたいだねー。…場所を知ってるのか、それとも…もう、必要としていないのか。」


「………何が言いたい。」


俺は低く問う。

志藤の言動に、自然と眉間にシワが寄った。


「ん?」


睨み付ける俺に、志藤は、ニッコリと笑った。


「もし後者なら……ウチにくれないかな?そのコ。」


ヒュッ

「ぅおっと!」


オレの蹴りを、志藤は寸前で避ける。


「危ないなー。」

「……壊される事が分かっていて渡せる程、鬼畜ではない。」


「えらい言われようだな。」

志藤は苦笑するが、否定はしない。

…コイツらもたいがい、イカレている。


「…確かにウチの大将は、ちょっとイってるトコあるけどさ……アンタんトコの大将だって、根本は同じだと思うよ。」


「………殺されたいか。」


殺気立つ俺に、志藤は、ニヤリと嗤った。


「犬と変わらない。…龍も所詮、獣だ。神じゃない。」


ビュッ


蹴りが、風を切る。


だが、唐突に開いたドアから、俺達の間に、誰かが割って入った。


「「!?」」

ガッ
「ぅわっ!?」


寸前で止めた蹴りは、それでも掠めてしまう。
放物線を描いて、弾かれた眼鏡が宙に舞った。


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