Main 4 ※墨田視点です。 「…君が付いて来てるから、黒も探してるのかなぁって、予想してたんだけど。」 志藤は、そう呟いた。 「……。」 「そうじゃないみたいだねー。…場所を知ってるのか、それとも…もう、必要としていないのか。」 「………何が言いたい。」 俺は低く問う。 志藤の言動に、自然と眉間にシワが寄った。 「ん?」 睨み付ける俺に、志藤は、ニッコリと笑った。 「もし後者なら……ウチにくれないかな?そのコ。」 ヒュッ 「ぅおっと!」 オレの蹴りを、志藤は寸前で避ける。 「危ないなー。」 「……壊される事が分かっていて渡せる程、鬼畜ではない。」 「えらい言われようだな。」 志藤は苦笑するが、否定はしない。 …コイツらもたいがい、イカレている。 「…確かにウチの大将は、ちょっとイってるトコあるけどさ……アンタんトコの大将だって、根本は同じだと思うよ。」 「………殺されたいか。」 殺気立つ俺に、志藤は、ニヤリと嗤った。 「犬と変わらない。…龍も所詮、獣だ。神じゃない。」 ビュッ 蹴りが、風を切る。 だが、唐突に開いたドアから、俺達の間に、誰かが割って入った。 「「!?」」 ガッ 「ぅわっ!?」 寸前で止めた蹴りは、それでも掠めてしまう。 放物線を描いて、弾かれた眼鏡が宙に舞った。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |