Main 3 厳しい視線を受けても、ここで負けるワケにはいかない。 オレってば、陽なたを歩けない身だから…じゃなくて、今、目立つのはマズい。 美人はオレが折れるつもりが無い事が分かったのか、諦めたように目を伏せ、嘆息した。 「…強情だな。」 「すいません。」 知的美人は、『もういい』と苦笑した。 「その代わり、何かあったら必ず生徒会に来る事を約束しなさい。」 はー… …!!? 「……えーと…………生徒会?」 知的美人は、オレの疑問を汲み取ってくれたのか、よく通る綺麗な声で自己紹介をしてくれた。 「ああ。私は2年の日下部 京一。…生徒会の会計をしている。」 会計さんですかー。超似合いますねー……って、オレの馬鹿ーーーっ!! キーンコーン… オレが呆然としている間に、鐘が鳴った。 「時間のようだ。…君も早く教室に戻りなさい。…気を付けて。」 気遣う言葉を残して去っていく知的美人…もとい、日下部先輩の後ろ姿に会釈して、オレは足元に視線を落とす。 ああ…植木鉢片付けなきゃ、と、現実逃避してみる。 ……………やっちまった。 不可抗力とはいえ、避けるべき生徒会と接触してしまった。 「どーしよ…。」 何か、日を追うごとに問題が増えてく気がする。 オレってトラブルメーカーだったんだー。 「あはははー……ハァ。」 オレは力なく、ため息をついた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |