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※第三者視点です。
「いや、お人形さんの方が大分マシか。…少なくとも、他の男に媚を売るような真似はしないだろうからね。」
「…………、」
そんな事…、と彼女は震えながら小さく呟く。
けれど直ぐ様、冷酷な目で睥睨され、口を閉ざした。
「反論があるなら、ハッキリと言ってくれる?…僕は君のそういう所が、物凄く嫌いだ。」
「………ごめ、なさ…い…。」
泣くのを堪え、俯く彼女に、尚久は白けたように鼻をならした。
「…まぁ、どうせ名ばかりの婚約者だ。結婚してからは好きにするといい。避妊さえすれば、何も言わない。…静に抱いてもらいたければ、好きなだけ抱いてもらうといいさ。」
侮蔑を隠しもしない視線と口調で、そう吐き捨て、彼は踵を返し、撫子に背を向けた。
「…ただし婚約破棄は許さない。……僕の道を妨げたら、殺すから。」
どうせ君には、そんな度胸は無いだろうけど。
そう言葉を投げ付け、彼はその場に撫子一人を置き去りにし、立ち去ってしまったのだった。
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