Main 2 ※第三者視点です。 「いや、お人形さんの方が大分マシか。…少なくとも、他の男に媚を売るような真似はしないだろうからね。」 「…………、」 そんな事…、と彼女は震えながら小さく呟く。 けれど直ぐ様、冷酷な目で睥睨され、口を閉ざした。 「反論があるなら、ハッキリと言ってくれる?…僕は君のそういう所が、物凄く嫌いだ。」 「………ごめ、なさ…い…。」 泣くのを堪え、俯く彼女に、尚久は白けたように鼻をならした。 「…まぁ、どうせ名ばかりの婚約者だ。結婚してからは好きにするといい。避妊さえすれば、何も言わない。…静に抱いてもらいたければ、好きなだけ抱いてもらうといいさ。」 侮蔑を隠しもしない視線と口調で、そう吐き捨て、彼は踵を返し、撫子に背を向けた。 「…ただし婚約破棄は許さない。……僕の道を妨げたら、殺すから。」 どうせ君には、そんな度胸は無いだろうけど。 そう言葉を投げ付け、彼はその場に撫子一人を置き去りにし、立ち去ってしまったのだった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |