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「……………………。」
日下部先輩の言葉に、しずかちゃんは、瞠目する。
そして、少しだけ困ったように、ポツリと呟いた。
「……選んだ、なんて大層なモンじゃないでしょー。」
呆れたような言葉。
けれど、その表情はとても穏やかで。
個性バラバラ、協調性なんて微塵も無いような彼らの絆を、垣間見た気がした。
「…まぁな。だが、私も早く、お前に帰ってきて欲しいと思っている。」
「…え、何ソレ。気持ち悪っ。」
日下部先輩が殊勝に言った言葉は、しずかちゃんに即座に切って落とされた。
照れ隠しとかじゃなく、マジでヒいてるしずかちゃん。
だが、日下部先輩は、至極真面目な顔で言い切った。
「本気だ。……早く帰って来て、あの山の様な書類を片付けてくれ。」
「………………は?」
しずかちゃんは、呆気にとられたように聞き返す。
「………………え。御門、仕事してるでしょ?アイツ、仕事面では結構真面目じゃん。」
「………………。」
日下部先輩は、無言で目を反らした。
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