Main 2 「……………………。」 日下部先輩の言葉に、しずかちゃんは、瞠目する。 そして、少しだけ困ったように、ポツリと呟いた。 「……選んだ、なんて大層なモンじゃないでしょー。」 呆れたような言葉。 けれど、その表情はとても穏やかで。 個性バラバラ、協調性なんて微塵も無いような彼らの絆を、垣間見た気がした。 「…まぁな。だが、私も早く、お前に帰ってきて欲しいと思っている。」 「…え、何ソレ。気持ち悪っ。」 日下部先輩が殊勝に言った言葉は、しずかちゃんに即座に切って落とされた。 照れ隠しとかじゃなく、マジでヒいてるしずかちゃん。 だが、日下部先輩は、至極真面目な顔で言い切った。 「本気だ。……早く帰って来て、あの山の様な書類を片付けてくれ。」 「………………は?」 しずかちゃんは、呆気にとられたように聞き返す。 「………………え。御門、仕事してるでしょ?アイツ、仕事面では結構真面目じゃん。」 「………………。」 日下部先輩は、無言で目を反らした。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |