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しずかちゃんの体が、ユラリと動く。
それを見て、今までオレをガッチリと抱き寄せていた日下部先輩は、アッサリとオレを離し、トン、と軽く突き放した。
離すなら何でカウント内に離さない!?
「危ないから、離れていなさい。」
すっかり戦闘モードになってしまった日下部先輩は、淵なし眼鏡を外し、オレに向かって笑む。
………ヤバイ。
この人ら本気だ。
「…………っ、」
ゴックン、と喉を鳴らして、オレは両手を握り締める。
ザッ…
しずかちゃんが跳躍し、日下部先輩に襲い掛かる。
「……!!!」
「っ!?」
「り、っ…」
しかしその拳が日下部先輩に辿り着く前に、オレは両手を広げて、二人の間に割って入った。
しずかちゃんが目を見開き、後ろで日下部先輩が息を飲む。
「…っ!!!」
ギリギリ、オレの鼻先で止められた拳に、思わず青くなる。
二人もまぁ、同様に青ざめてるが。
「…何て危ない事を、」
真っ青な顔で諫める言葉を吐く日下部先輩と、オロオロしているしずかちゃんを睨み付け、オレは叫んだ。
「…此処を何処だと思ってるんですかー!!?」
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