Main 4 しずかちゃんの体が、ユラリと動く。 それを見て、今までオレをガッチリと抱き寄せていた日下部先輩は、アッサリとオレを離し、トン、と軽く突き放した。 離すなら何でカウント内に離さない!? 「危ないから、離れていなさい。」 すっかり戦闘モードになってしまった日下部先輩は、淵なし眼鏡を外し、オレに向かって笑む。 ………ヤバイ。 この人ら本気だ。 「…………っ、」 ゴックン、と喉を鳴らして、オレは両手を握り締める。 ザッ… しずかちゃんが跳躍し、日下部先輩に襲い掛かる。 「……!!!」 「っ!?」 「り、っ…」 しかしその拳が日下部先輩に辿り着く前に、オレは両手を広げて、二人の間に割って入った。 しずかちゃんが目を見開き、後ろで日下部先輩が息を飲む。 「…っ!!!」 ギリギリ、オレの鼻先で止められた拳に、思わず青くなる。 二人もまぁ、同様に青ざめてるが。 「…何て危ない事を、」 真っ青な顔で諫める言葉を吐く日下部先輩と、オロオロしているしずかちゃんを睨み付け、オレは叫んだ。 「…此処を何処だと思ってるんですかー!!?」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |