アリスインワンダーランド 10 「うん。 『アリスがよく話してる』 って言ったんだけれど、 チェシャ猫さんは 『よく聞くほど、 アリスとよく話してるんだ』 って認識をしたのかなあ」 「…」 「愛されてるねえ〜 素敵な旦那さん〜」 「まだ旦那なんかじゃない!」 「まだ?…いつかなるんだ」 「よ、余計なお世話よ!」 アリスはすっかり赤くなって ギルから紙袋をもぎとると、 店を出た。 頬が赤いままでは 帰れないので、 アリスは近くの 小さな橋のたもとにおりる。 小川のきれいな水をすくって 頬にぱしゃぱしゃとかけた。 そうして一息つくと、 どこからか泣き声が 声が聞こえてきた。 [*back][next#] [戻る] |