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押し返された反動で、ナマエはザックスから距離をとる。
「お前は、そんな憎しみを抱えたまま生きていきたいのかよ!!」
「…ッ」
ズクリ、胸が軋む。
身体が熱くて、血がたぎる。
憎い、憎い、憎い
そして、何よりも
「苦しいに、決まってるじゃない…!!」
大きく息を吸い込み、ナマエは再度切りかかる。
激しくぶつかる金属音、その中でナマエは苦しげに顔を歪めていた。
「何かを憎むと、憎んだだけ自分は苦しくなる!」
苦しみは心を蝕み、その人を闇に突き落とす。
「私がこれだけ苦しいってことは、…兄さんは、もっと苦しみを味わってるってことなんだよ!」
「!」
「兄さんは何も悪くないのに、悪いのは…!!」
神羅なのに
ガランガランッ
ザックスはハッとする。バスターソードを薙払われ、あろうことか取り落としてしまった。
ナマエはといえば、双剣のひとふりを此方に向けて構えていた。
「兄さんがまだ生きてるということは、まだ苦しみが続いてるってこと」
「!」
「私達の全てを狂わせた奴らのせいで…兄さんは今も苦しんでる」
そんな兄さんを、独りにしておけるわけ…ないじゃないか
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