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ギイィンッ…
背中を冷たい床に打ち付ける衝撃と共に、
ザックスは顔の横の床にに突き刺された刃を感じた。
目の前には灰色の天井と、先程より感情的になってきたナマエが、…のぞき込むような形で自分の上にいる。
「お願い…頼むから、私を兄さんの所に行かせて!!」
付き立った剣を握り締めたまま、ナマエは募るように、ザックスを見つめる。
その瞳に宿る悲痛そうな揺らめき、そして絶望したように淀んだ空色。
何故、どうして…
いったい何が原因だったのだろう?
「何がお前を、そこまで追い詰めたんだ…」
「…!!」
ザックスは、空いた手のひらでナマエの頬をソッと包む。
不意をつかれたように、ナマエはビクッと肩を震わせた。
なぁ、教えてくれ
お前は何をそんなに恐れているんだ
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