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「どうして、私に…」


ナマエはソッと羽を握り締めてコピーを見上げる。
そうすればコピーは更に一歩、ナマエに近付いた。
ビクリとナマエは肩を揺らして後退るが、その腕を捕まれてしまう。


「やッ…はなし、て!」

「…。」

「な、ちょ…!」








さぁ、おいで


こっちに、来るんだ







脳に響くような何者かの声に、ナマエは目を見開く。


「今の、は?」

「…。」

「誰かが、私を…」




呼んでいる、私を呼んでいる


ナマエはそれが誰の声か思い出せずに、キュッと目を瞑る。
そうすれば、コピーは隙を見つけその身体を抱き上げた。


「い!何ッ…!?」




まさか、私をその誰かの場所へ連れていこうとしている?



そう理解した途端、ゾクリと恐怖がナマエを襲った。
しかし、コピーは既に地面から飛び立とうとしており、その腕の力もかなりのものだった。


「やだ!…はなし、て。離して!!」








フッ…



すると一瞬、コピーの腕の力が緩んだ。



驚いてナマエがコピーを見上げれば、まるで、彼女の嫌がることはしたくない、とでもいいたげに


「に、いさ…」


コピーは、兄が妹を慈しむ時の表情をしていた。



しかし、それはすぐに終わりを告げる。



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