ページ:6 「どうして、私に…」 ナマエはソッと羽を握り締めてコピーを見上げる。 そうすればコピーは更に一歩、ナマエに近付いた。 ビクリとナマエは肩を揺らして後退るが、その腕を捕まれてしまう。 「やッ…はなし、て!」 「…。」 「な、ちょ…!」 さぁ、おいで こっちに、来るんだ 脳に響くような何者かの声に、ナマエは目を見開く。 「今の、は?」 「…。」 「誰かが、私を…」 呼んでいる、私を呼んでいる ナマエはそれが誰の声か思い出せずに、キュッと目を瞑る。 そうすれば、コピーは隙を見つけその身体を抱き上げた。 「い!何ッ…!?」 まさか、私をその誰かの場所へ連れていこうとしている? そう理解した途端、ゾクリと恐怖がナマエを襲った。 しかし、コピーは既に地面から飛び立とうとしており、その腕の力もかなりのものだった。 「やだ!…はなし、て。離して!!」 フッ… すると一瞬、コピーの腕の力が緩んだ。 驚いてナマエがコピーを見上げれば、まるで、彼女の嫌がることはしたくない、とでもいいたげに 「に、いさ…」 コピーは、兄が妹を慈しむ時の表情をしていた。 しかし、それはすぐに終わりを告げる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |