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「うん、こんなもんかな」
ゲートに逃がすこともなく、敵を無事排除したナマエ。彼女の双剣も実に頑丈なもので、鉄材を斬ったというのに刃こぼれもなかった。
「よし、私も急ぐか」
そしてナマエが双剣をしまい、飛行場へ走り出そうとした時だった。
フワリ、
「…え、」
ナマエの目の前を、漆黒の羽がヒラリと舞い落ちる。
バサッと大きな羽音と共に、降り立ったのは
「兄さ、ん…?」
しかし、それはジェネシスの姿に最も酷似した種類のコピーだった。その証拠に、彼の左腕は巨大な銃と化していた。
ナマエは我に返って双剣を構える。
コピーは無言のまま、構えることもなくこちらを見下ろしていた。
そして、
「な、何…?」
スッと差し出された彼の右手、そこにはひとひらの漆黒の羽があった。
まるでこちらに渡そうとしているようで、ナマエは戸惑うようにコピーを見上げた。
「私に…?」
「…。」
コピーは微かに頷き、ナマエに手を出すように促した。
そしてナマエがおずおずと右手を広げ差し出せば、その上に優しく羽を乗せる。
それは、いつだったか拾ったアンジールの羽とは違う美しさを持っていた。
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