[携帯モード] [URL送信]
ページ:2




制圧と言えばまだ聞こえは良いが、その実態は虐殺に近いものがあった。

いくら力をつけたと言えど、彼等は非力な人間。戦闘に特化した自分達に彼等がかなうはずもなく。
しかし神羅は、彼等に容赦のない制裁を与えたのだ。











『貴様らは間違っている!!』


ナマエが最後に息の根を止めた人間は、切り捨てられ際にそう叫んだ。

その憎悪にまみれた瞳は、かつてウータイ兵を切り伏せた時と同じものだとナマエは気付いた。

ベットリと顔にはりつく生暖かな液体に、この時初めて恐怖を覚えた。
どうしてどうして、何故今になってそんな…

地に倒れ、瞳を濁らせ二度と動くことのないであろうそれらが、ナマエにある感情をもたらした。




“ドウシテ私達ヲ殺シタノ”




全ての亡骸、その光の映らぬ瞳に責め訴えかけられた。
だらしなく開かれた口からは何とも言われぬものが吐き出され、
彼等の動かない筈の腕が、今にも動き出して自分の喉に巻き付かれるのではないか。
何故我々を殺すのだ、何故お前は生きているのだ、と。


ナマエは動悸が激しくなるのを感じた。自らの肩を抱きしめ、震える息を吐き出した。
…これが、“後悔”。









[*前へ][次へ#]

2/8ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!