ページ:2 制圧と言えばまだ聞こえは良いが、その実態は虐殺に近いものがあった。 いくら力をつけたと言えど、彼等は非力な人間。戦闘に特化した自分達に彼等がかなうはずもなく。 しかし神羅は、彼等に容赦のない制裁を与えたのだ。 『貴様らは間違っている!!』 ナマエが最後に息の根を止めた人間は、切り捨てられ際にそう叫んだ。 その憎悪にまみれた瞳は、かつてウータイ兵を切り伏せた時と同じものだとナマエは気付いた。 ベットリと顔にはりつく生暖かな液体に、この時初めて恐怖を覚えた。 どうしてどうして、何故今になってそんな… 地に倒れ、瞳を濁らせ二度と動くことのないであろうそれらが、ナマエにある感情をもたらした。 “ドウシテ私達ヲ殺シタノ” 全ての亡骸、その光の映らぬ瞳に責め訴えかけられた。 だらしなく開かれた口からは何とも言われぬものが吐き出され、 彼等の動かない筈の腕が、今にも動き出して自分の喉に巻き付かれるのではないか。 何故我々を殺すのだ、何故お前は生きているのだ、と。 ナマエは動悸が激しくなるのを感じた。自らの肩を抱きしめ、震える息を吐き出した。 …これが、“後悔”。 [*前へ][次へ#] [戻る] |