* 孤独を嫌うこの少女は 今や支えのない空虚な世界に放り出されて やり場のない悲しみを身に溶かし 孤独に孤独に、眠ろうとしている。 そんなこと、させるものか 「俺が居てやる…お前の傍に、これからはずっと」 「レノ…?」 まるで希うように肩を抱き締めるレノ。しかしナマエには、その理由が分からなかった。そして、その願いを受け入れるべきかどうかも…分からなかった。 レノは募るように、ナマエの耳元で囁く。堅く閉じられた瞼は、その切願ぶりを物語る。 「独りは嫌なんだろ。寂しいんだろう」 そう 独りは嫌 寂しいのは、嫌 「でも」 でも? でも、何? 何が、“でも”なの? 頭の中に反芻する、相対する何か。 それが、全てを流しだすまいというせき止め(理性)となっていた。 もう訪れることはないと諦めた希望のようなものに、まだすがりついているような… [*前へ][次へ#] [戻る] |