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「私は…」

まだ、待っていたい…のかもしれない


“誰”を?


分かりきっているじゃないか、誰かなんて
…けれど、心は思い出したくなさそうに拒絶の色を示す。

あぁおそらく、無理矢理に今思い出したとしたならば
私は、壊れてしまう
待ち望んでも戻ってこないと分かっているなら尚更
欲しくもない現実を突きつけられるくらいなら…いっそ

この、優しさに卑しくすがりついてしまおうか



「ふ…う…ッ」

瞳から溢れ出た生暖かい雫。
涙さえ流せば、全て哀れみで薄れるのだとでも言いたげに。

あぁなんて狡いのだろう
自分が傷付くのが恐いから
現実を見ずに、横から差し伸べられた優しさに付け込むなんて
自身への嫌悪感が込み上げる
だが、弱い。
余りにも
孤独への恐怖が、全てを凌駕する。

「め…なさ…ごめん、なさい…」

次々と滑り出る懺悔、懺悔、懺悔。こんなもので赦されるはずがない。
それほどまで私は狡く酷い奴なのだ。


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あきゅろす。
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