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「探したよ」

ナマエはボソッと呟く。

「ちょっとだけだろ。俺なんてスラムのそこら中探し…、…」

そこまで言うと、思わずザックスは口を閉じる。
突然、ナマエの肩が微かに震えだしたからだ。

「…ナマエ?」
「目が覚めたら、誰もいない…薄暗くて、寒くて…じめじめした、錆臭い廃棄物ばっかり」

周りには誰もいなくて、
正直、心臓が冷えた

「ずっとずっとスラムを独りで歩いた。早くザックスを見つけたくて…そしたら、ウィンドに会ったの」

ザックスはハッと先程の事を思い出す。

『あの子、あんまり独りにしてやるなよ?』

おそらく、あの男性がウィンドだろう。
あの時、ウィンドは付け加えるように、こう言った。

『初めてあの子を見つけた時、表には出さないけど相当怯えてたぜ…だから彼女を子供達の所に誘ったんだ』

まるで道しるべを失った子供のように





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