*
思えば、落下した後の境遇は全く違う。
俺はエアリスの所に落ちたけど
ナマエは誰も居ない廃棄物の中で目が覚めた。
俺はエアリスに案内してもらいながら必死にナマエを探してた
ナマエは何もわからず、だけど不安を押し殺して独りで俺を探してただろう
改めてザックスはナマエを見る。
瞼は堅く閉じられて、睫が震えている。
唇はきつく結ばれていて、何かを押し殺すように耐えている。
ザックスは、そっとナマエの肩に手を置いた。
ピクリとナマエの体が動く。
「触らないでって…言ったのに」
「俺はそれを了承してねぇ」
今度のナマエはザックスの手を払いのけようとはしなかった。
「ごめんな…」
「謝られる、理由なんて」
「なくはない…お前を独りにしちまったから」
その言葉に敏感に反応するナマエ。
キュッと拳を更に握りしめた。
「…別に、独りぼっちだからって」
「恐かったんだろ?…寂しかったんだろ?」
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