シスター&ブラザー! その姉、歌唱す。 「さぁ、みんな!元気ー? 体調悪い人はすぐに報告するのよー!」 「「「はーい」」」 帝国学園サッカー部専用ジェットまで持ち出して、総帥もたいがい美咲には甘いようだ。 当の本人は、マイクを握り、弟とデュエットをしようと必死だ。 それより、一体なんでカラオケなんかついているんだ? シスター&ブラザー! 「強くなれたぜ♪一人じゃできなかった♪」 「俺達の絆にマジで感謝ァアアアア!!」 美咲は…相変わらず…歌がヘタだった。 デュエットしてる洞面が涙目で可愛く歌いあげたが、まったくフォローにならない。 聞いていた皆もア然とするか、耳を塞いでいる。成神だけは余裕の表情でタンバリンを叩いているが、ヘッドフォンがあるから、歌自体聞こえていなかったみたいだ。 「さぁ、鬼道!あんたも歌うのよ」 「な、なんで俺が…」 「あ、採点つけましょうか?」 「必要ない、そんなもの!」 仕方なく渡されたマイクを握り、適当に曲を入れる。 美咲や他の皆は、じーっと俺を見る。 「ヤッターマ●の歌でもいいわよ?」 「歌えるか。色々問題があるだろう」 ピピッと電子音が鳴り、画面が変わる。 軽快なバックミュージック。 俺はゆっくりと、息を吸った。 「そうだ恐れないで♪みんなのために♪」 「え、アンパンマ●……?」 「姉貴、そんな事も知らないのか? 鬼道さんの十八番は、これなんだ! あー…鬼道さん!!かっこいいです!」 「やっぱり上手いな、鬼道」 「尊敬するッス、キャプテン」 「何の為に生まれて 何をして喜ぶ♪ わからないまま終わる♪ そんなのはいーやだっ♪」 「いや、ただのアンパ●マンじゃん!! つか、可愛く歌わないでよっ!!」 「「「L・O・V・E・きどう!!」」」 「無くさないで 夢を♪零さないで 涙♪ だから君は飛ぶんだ どこまーでも♪」 「「「Y・U・T・O!!」」」 「な、なんか……みんなが怖いわ…」 その姉、歌唱す。 (さて、美咲、何が聴きたい?) (もうあんたには歌わせたくない) 、 [*前へ][次へ#] |