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輝く君の行方は…(4)

その後、デンジを巻き込み取っ組み合いのケンカに発展したリカとミヅキ。

しかし、キレたデンジが「俺のエレキブルの餌食になりたいのか?」という脅しをしたおかげで二人は大人しくなった。

「さて、話をもどすぞ?いいよなクソガキども」

「…はい」

「…いいです」

怒りのオーラを発しているデンジ。しかも床に正座。リカは半泣きだ。

「よし、じゃあ椅子に座れ」

「「はい」」

二人は立ち上がり椅子に座った。

気を取り直し、ミヅキは話し始めた。

「じゃあ話すよ?リュウのウロコ団体だけど、毎週木曜日にクチバの『ペルシアン工業社』に行ってるみたいなんだ」

「…ペルシアン工業社って、去年あたりから悪い噂ばっかたってるとこだよね?」

リカはお昼のワイドショーでペルシアン工業社が取り上げられていた事を思い出す。…内容は忘れたが。

「で、シンオウ行くとき丸一日かかんじゃん?船ん中で暇だったから、その会社のパソコンハッキングしたんだ」

暇潰しでハッキングをするミヅキ。彼女にとってそこらの会社のパソコンのハッキングなど、朝飯前なのだ。

「なんか定期的にかなりの額の金が入ったり出たりしてるみてえなんだよ…。億とか兆単位で。中小企業のクセにおかしいだろ?どう思う?」

「有り得ない金額の出し入れか…」

「やっぱり、どっかの組織と癒着してんじゃないかな?」

悩むデンジとリカ。

「組織との癒着…、か」

考え込むミヅキにリカが言う。

「やっぱさ、潜入捜査するしかないよ。次の木曜日に…って、明日か。ペルシアン工業社に来たリュウのウロコ団体のやつをつけてって、アジトまで行こう!」

「リカの言う通りだな。考えても仕方がないだろ」

デンジもリカに賛成した。

「確かにそうだな…」

ミヅキはニヤっと笑う。

リカ・ミヅキ・デンジの潜入捜査が決定した。



 ☆ ☆ ☆



「………………」

ポケギアでリカに電話をかけているサツキ。

「どう?リーダーは出た?」

ユウナが聞いてくる。サツキはため息をついた。

「……繋がらない。多分、電源切ってる」

「どうする?」

ユウナがサツキに言った。サツキはポケギアで別の名前を検索。

「……みーに、電話してみる」

ミヅキのポケギアと事務所の固定電話は改造中の為、サツキはミヅキの部屋の電話にかけた。

プルルルル…

「…………………」

なかなか出ない。

プルルルル……ががび…がび…

ポケギアから聞こえてくる音にノイズが混じりだした。

「…………………?」

サツキの眉間にシワがよる。

「どうしたの?」

ユウナがサツキの顔を覗き込む。

ピ、ピーー…、ピーー…

「……あれ?」

電話が切れた。

「……みーも、ダメだった」

「え!?うそ…何で?」

ユウナが驚く。

ミヅキの部屋の電話はかなり性能がいい。そうとう電波が悪くない限り、カントー・ジョウト間で繋がらないなんて事は無いはずなのだ。そしてミヅキは電話の音にすぐ気がつくタイプ。

「……わからない。どうする?一回帰る?」

もともと調査の為に一泊する予定だったが、仲間と連絡がつかない。

「ん〜…」

サツキの言葉に迷うユウナ。帰らないと相談できないけれど、犯人を早く捕まえたい。

「…帰らない!二人で一緒にやっちゃわない?とりあえず一人だけ生け捕りにしちゃいましょうよ!」

「……そう。じゃ、そうしちゃおっか」

サツキの同意も得られたため、二人は勝手に囮作戦を開始。(囮も自分達。捕まえるのも自分達)

「待ってなさいよ!誘拐犯!!」

ユウナに気合いが入った。



 ☆ ☆ ☆



一方事務所は…

話し合いに一段落つき、リカは本日三度目のおやつ。デンジはナギサジムに電話をする為に、一度外に。

そしてミヅキは自分の部屋に向かった。



「(なんか部屋がうるせぇなあ…コイル達が騒いでんのか?)」

ミヅキは戦闘に使わず、基本的に部屋に放してあるコイル達がいるのだ。

ガチャッ

「!!?」

ミヅキは自分の部屋の扉を開け、目を疑った。

「なんで…?」

目の前には、改造中のポケギアと事務所の電話、自分の部屋の電話。…全てバキバキに壊れている。

そして、


暴走して暴れまわるコイル達。


コイル達が暴れ、電話を壊してしまったようだ。

「お、おい!どうした!?落ち着け!!」

一度ボールに戻そうにも、ボールは全て部屋の中。危険だが、部屋に入るしかない。



電話の為に事務所の外に出たデンジ。

「(ジムの奴らに暫く休むって電話しとかねぇと)」

そう言ってポケギアを取り出した。

まあ、この男はしょっちゅう勝手にジムを休みにしたりしてるのだが。

びび…び……びび……

「?」

ポケギアの画面が砂嵐になっている。

「…何だ?」



三度目のおやつのリカ。

冷蔵庫から苺のモンブランを出してきた。

「いただきま……あ!そうだ、今は『オーキド博士のポケモン講座』の時間じゃん!」

帽子の中を漁り、中からポケギアを取り出す。

「あ。電源切ってたんだっけ…」

ピッと電源を入れ、ラジオにする。

びびび…びびっ……

しかしラジオは流れない。

「…あれ…?壊れた……?」

リカの額に冷や汗が垂れた。


つづく

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