本棚
輝く君の行方は…(5)
モンスターボールを取るため部屋に入ったミヅキ。
コイル達はヒュンヒュン飛びまわっている。両脇のユニットからパチパチと電気を出しているコイルもいた。
ガツッッ
部屋を飛びまわるコイルが頭の左側にぶつかり、鈍い音がした。
「…ッ!……ってぇ…」
ミヅキは頭がぐらぐらし、よろけて倒れそうになったが、なんとか踏みとどまった。
レベルが低いとはいえ、人間とポケモンではパワーが違う。さらにコイルの体は鋼だ。
ぶつかった場所を手で抑えながら、体勢を低くして進む。頭からは少し血が滲んでいた。
「確か、ここにボールが…」
窓際の、パソコンを置いてある机の一番下の引き出しを開く。モンスターボールとスーパーボールが三つずつ入っていた。コイル達のボールだ。
「よかった。よし、戻れ!!」
ボール六つをまとめて投げた。
ぼぼぼぼんっぼぼんっ
次々とコイルがボールに入り…
コーン…コンコン…
…床に落ちた。
「はぁ…よかった」
少しふらふらしながら、ミヅキはボールを全て拾い上げ、部屋を見回した。
「機械も…電話以外は大丈夫みたいだな」
ふう。と安堵する。
その瞬間、頭に激痛が走った。
「いっ……つぅ…」
六つのボールは右腕で抱え、左手で頭を抑える。
「(リビングのどっかに、救急箱があったはず…)」
肩を壁につけて、そのままずるずると壁づたいで部屋を出た。
デンジはポケギアのボタンをカチカチ押すが、画面は砂嵐のまま変わらない。
「…………」
無言のまま、デンジはポケギアを上に掲げて、ゆっくり動かした。砂嵐の画面をじっと見つめる。
「(妙な電波が原因か…。どこからだ…?)」
じじ…びびび…
画面は全く変わっていないように見える。しかし、デンジには電波の僅かな違いがわかった。
「!……こっちか」
デンジの目線の先には…、
ラジオ塔。
「どうしよう…壊れたみたい…」
(´・ω・`)←こんな顔をするリカ。ポケギアのボタンをカチカチしたり、振り回したりするが、画面が砂嵐から変わる気配は無い。
「ふぅ。みーに直してもらうしかないかぁ」
リカは早足でミヅキの部屋に向かった。
どんっ
「うぁ!」
廊下の角で何かにぶつかり、リカは尻餅をついた。バラバラと何かを落とす音もする。
「いてて…。って、みー!?どうしたの!?」
リカの目の前には、頭から血を流して倒れるミヅキと、バラバラに床に落ちているモンスターボールとスーパーボール。
リビング戻る途中でリカとぶつかり、頭痛も酷かったため気を失ってしまったようだ。
「まさか…。うちがぶつかったせいで、どこかに頭をぶつけて血が…?って、それは無いか。ぶつけて血を流すような物が見当たらない」
立ち上がったリカは、救急箱を取りに急いでリビングに戻った。
つづく
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
機械とかプログラムのシーンは深く考えちゃいけません。テキトーです。
ええ、デンジのシーンは深く考えないで下さい。
マキとユウリがいないのも、あまり気にしないで下さい。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!