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輝く君の行方は…(3)
カントー地方・ヤマブキシティ。
「目撃情報無しね」
「……なかなか、進まない」
フレンドリィショップから、二人の少女が出てきた。進まない調査に頭を抱えるユウナとサツキだ。
「一人くらい誘拐の現場の見た人がいたって、いいのにね?」
歩きながら、買ってきたミックスオレをプシュッと開け、ごくごく飲むユウナ。
「……あの人数がヤマブキでいなくなってる。むしろ、目撃者が全くいないのは、変」
サツキは缶コーヒーを開けた。
「あ〜あ。いっそあたしを誘拐しに来れば、逆に犯人をぶっ倒して事件解決なのに!」
ユウナは空になったミックスオレの缶を、くずかごに向かって投げた。
バカンッ
缶はくずかごに直撃し、跳ね返って地面に落ちた。ユウナの馬鹿力で(軽くは投げたが)缶は高く飛んだ。
「……はあ。…無理でしょ。ゆーなちゃんは帽子、黒いから」
サツキはコーヒーを一口飲むと、缶が落ちた場所に行った。缶は凹んでいる。
「そうよね〜。あたしじゃダメか」
たははっと笑うユウナ。
「……危険、だけど…」
サツキは缶を拾い、くずかごに入れた。
「……リーダーに、言ってみる?ゆーなちゃんの帽子を、『白』にしないかって」
ユウナの顔を見ながら、サツキが悪戯っぽく笑った。
コガネシティ・Wish探偵団事務所。
「で、どの組織から調べるんだ?」
資料にチェックが入っているのは、『エレキ団』『SPEAR』『リュウのウロコ団体』『FANG』『AAA(トリプルエー)』…。変な団体名が並んでいる。
「そうだなぁ…。この『リュウのウロコ団体』からかな」
デンジの言葉に、資料を見ながら答えるリカ。
「随分とダッセェ名前だよな!」
ミヅキが吐き捨てるように言った。
「うん。センスないよね☆…じゃなくて、名前は関係ないじゃん!」
リーダーがツッコミに回った。
「だって実際名前ダセェよ。そいつらなら瞬殺できそう」
「なめてかかると危ないよ?一応犯罪組織なんだから」
リカはミヅキにデコピンした。
デンジはミヅキに言う。
「ところで、調査しようにもアジトはつかんでないんだろ?どうすんだよ?」
ミヅキがリカを(デコピンの仕返しに)ペチペチ叩きながら答える。
「確かにアジトはつかんでない。だからってこのみー様を舐めてもらっちゃ困る」
「みー、叩かないでよ!」
叩かれてるリカはミヅキに文句を言っている。
「…どういう事だ?」
「アジトはつかんでない。けど、いくつかの組織については定期的に行く場所をつかんである」
「痛いよ、みー!!」
ミヅキはリカの文句を無視して続ける。
「リュウのウロコ団体については、週に一度、ある企業に行く事がわかってる。だから…」
ミヅキがニヤっと笑う。
「そこを叩く!」
「だから叩かないでってば!!」
げしぃっ
ミヅキにリカの回し蹴りが決まった。
つづく
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組織の名前はテキトーです。
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