青春メモランダム
U.
ベッドの上で携帯を弄ぶ。
電話帳に新しく入った「羽鳥亜姫」の名前をぼーっと見つめた。
次第に温くなってきた無機質なソレはふと振動を伝えた。
チカチカと無表情に光るメール通知に携帯を開いた。
…―今日ヒマ?
相手は以前遊んだ奴だった。
彼女気取りだろうか?
…生憎、今日から俺はフリーじゃないからな。
口角を上げながら返信を打つ。
"今何処にいる?"
これだけ言えばあっちも分かるだろう。
最低なんだろうな、俺って。
…それでも俺は止めることはないだろう。
俺は自嘲した。
無造作にズボンに携帯を突っ込む。そこら辺にあったパーカーを羽織る。
…―家を出る時に鳴った携帯は言うまでもなく場所を告げるものだった。
それは次の日のお昼に起きた。
「…新城君いますか?」
俺のクラスに羽鳥が来た。
ざわめくクラスにお構い無しに俺は席を立ち上がり、羽鳥の目の前へと歩み寄る。
「羽鳥どうした?」
俺が笑顔を向けて聞くと、羽鳥は顔を赤くしながら小さな声で
「ご飯一緒に食べませんか?」
と言ってきた。
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