[携帯モード] [URL送信]
02
 


「ふー」


 ふわふわタオルで顔を拭いて、寝癖を直す。


 まあ、あの人は、やるときはやるし、出会った時からしっかりしてる。
 言わずもがな両親のお気に入り。
 小さい頃から一緒だから、遊んだり相談乗ってくれたり的確なアドバイスくれたり、頼りになるお姉様ではある。


 俺の幼なじみ二人も面識はあるし、つうか四人で遊んだし。
 サバサバした性格で、女性特有のネチネチが大嫌いな、言いたい事は言う、でも空気は読むよ、みたいな人。

 一時期、幼なじみの二人は夏樹さんに随分お世話になった。
 もちろん恋愛関係で。
 俺の幼なじみ、北条多貴(ホウジョウ タキ)と望月伊織(モチヅキ イオリ)は中学から付き合ってるラブラブカップルなのだ。

 一般的に同性愛なんて受け入れてくれる人間はごく一部で、将来にも響くもんだから。
 二人はすんごい苦労してる。
 でも、偏見なく相談に乗ってくれて、穏やかに付き合っていけてんのも夏樹さんのお陰と言っても過言じゃない。

 俺も、二人も、そういう面では尊敬すらしてる。


 まあ、


「あ、ごっめん!お弁当なんだっけ!忘れちゃった」
「……昼飯代を要求する」
「ごっめーんてばー」


 普段抜けてるんだけど。
 でも、ま、責める気はない。

 料理の腕は良い方。
 けどうっかりミスが多い。
 大抵は自分で作ってる弁当も、昨日に限って仕込み忘れた俺も言えたもんじゃないんだけど。



「いただきまーす」
「はいどーぞ」


 なんの違和感もなく朝食の席にいるってのもびっくりだけどさ。

 朝食は重過ぎない和食。
 こういうところ考えてるから忘れんじゃね?
 なんていわねーけど。
 感謝してるし。








「いってきまーす」
「いってらっしゃい。近いうちみんなでご飯食べようよ」
「りょーかい」


 みんな。ってのは言わずもがな幼なじみ含む四人で。
 断る確率?ゼロだな。うん。


 当たり前のように見送られて、暑くも寒くもない天気の眠くなる気温の中歩く。


 そーいや、もう二年生なんだよな。忘れてた。
 先週始業式やったばっかなのに。


 


[*][#]

3/40ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!