温度差。 末宮君 「……ゃ……幹也!」 「えっ! あ…ゴメン……何?」 ぼーっとしてて、学人が呼んでるのに気付かなかった… 「次移動」 「あ、そうだった」 周りを見ると、もう皆移動を初めてて、ボクは慌てて支度した。 「持ちます」 学人の後ろに待機してたクラスメイトが、ボクの荷物を持ってくれた。 「ありがと」 「…いえ」 にこって笑って言ったら、照れた様にそう返される。 彼は末宮聡之(スエミヤ トシユキ)。通称『親衛隊』。 この学校は男子校なせいか、ボクの見た目が母親ゆずりの可愛い系なせいか、ファンクラブみたいなのがあるんだ。 彼はその筆頭グループ? (トップの方?)の人。 (自分の方こそファンクラブが出来てもいいくらいの顔してるのに) もったいない。 「最近元気ないですね」 移動中に末宮君がそう言った。 「…そうかな」 「そうだよ」 学人が断言する。 ちょっと不機嫌そうなのは、ボクの元気のなさの理由を知ってるから。 [*←back][next→#] |