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『ここ…は』
何処なのか、と訊こうとすると、
「おい、リボーンさんの知り合いだかなんだか知らねーけどな、10代目に心配かけんじゃねぇ」
険のある声で、銀色の髪の少年に途中で遮られてしまった。
髪が綺麗だな、と思い、ぼんやり見つめる。
「な、なんだよっ」
そうしているとその少年は少し言葉を濁した。
その時、足の辺りに小さな振動を感じた。
ベッドの上に何かが乗ったようだ。
「ちゃおっス」
赤ん坊だった。
スーツ姿が不思議で、首を傾げてしまう。
「お前が小由良心葉だな」
少し間を置いて、赤ん坊がボクに訊ねた。
……小由良心葉…。
『分からない』
小由良心葉。何処かで聞いた気がするけれども、それが何を意味し、自分とどんな関係が在るのか分からない。
だから、今のボクにとって、それが赤ん坊の質問に対する答えだった。
「おいっ、女ぁ!リボーンさんが聞いてるのに、何わけわかんねーこと言ってんだ!?」
「獄寺君…っ」
だけど、銀色の髪の少年は、ボクの答えが気に食わなかったのか、急にテーブルを叩いて、立ち上がり、ボクの方へ向かおうとした。
それを10代目と呼ばれていた茶色い髪の少年が肩を抑えて、止める。
このやり取りで、銀色の髪の少年の名字が獄寺であることが分かった。
名前かもしれないが、おそらく名字だろう。
目の前の赤ん坊はリボーンというらしい。
そのリボーンさんは、口許に手を当てて、何かを考えている。
そして、ボクにまた質問をした。
「心葉、お前、もしかして何も分かんねーのか?」
部屋の温度が冷たくなったかのように、静まり返る。
10代目さんも獄寺さんも時間が止まったかのように、じっとしてボクを見つめた。
『……多分』
ボクは何もかも言われていることが分からないので、多分、としか答えれなかった。
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