[携帯モード] [URL送信]

僕の彼氏、日高 昇は、生徒会役員で会長をしている。
他の生徒会役員からも、生徒からも、先生からも、とてもとても信頼の厚い会長だ。
そんな上等な僕の彼氏には、当然親衛隊が存在する。親衛隊とはアイドルのファンみたいな者達だ。
その親衛隊を総括する隊長は野波 海。僕だ。
恋人である僕が隊長を務めるのは当然の義務なのだ。



「会長様…好き。凄く、好きです」

夜、彼氏の寮部屋でうるうるもじもじしながら言った。
好きすぎてこんな態度になってしまうけれど、僕の彼氏はこういった男がタイプなのだから丁度いい。
呼び方も、名前呼びよりも会長と呼ばれる方が喜ぶし、加えて様を付けるとよりいいらしかった。

「さっさとしろ、追い出されたいのか」

横暴な所のある彼氏だけど、それでも好きだから仕方ない。
それにこれは一種のプレイなのだと僕は分かっている。
僕は急いで、ベッドに座っている彼氏にかしずいた。
彼氏の下の世話は恋人である僕の務め。
早々に彼氏の性器を取り出して、まだ兆しの見えないそれを口に含んだ。
とにかく気持ちよくなってほしくて、覚えた手練手管を駆使する。
すると次第に性器が体積を増し硬くなった。
嬉しくなり、思わず彼氏を見上げて「美味しい、好き」と伝えた。

「そんなに美味いなら飲ませてやろうか」

勿論僕は「はい」と答えた。
でも、答えてすぐに僕は訂正をいれた。

「お、お尻にも…ダメですか?」

僕の彼氏はエッチは好きだけど絶倫じゃない。一度イってしまったら、もうその日は絶対にエッチしてもらえない。

「お前に二度立つわけがないだろ。尻に欲しいならくれてやるからさっさと出せ」

この言葉は嘘と分かってても傷付く。
僕は傷付きながらも服を脱いで全裸になった。
尻を出せとしか言われなかったけど、僕はあえて全裸になった。だって、全身で彼氏を感じたかったから。

全裸になったら、今度は彼氏を脱がしていく。
だけど、上半身を脱がそうとした所で手を払われた。
彼氏は肌を晒すのを好かないから仕方ないけど、ちょっと寂しい。

払われた手首を掴まれて、ベッドへ引き上げられる。
膝からベッドへ乗り上げたので、お姉さん座りになってしまった。
全裸で、しかも性器を勃起させた男子高校生がお姉さん座りなんて、なんだか恥ずかしい。
でも、僕の彼氏はこういった男がタイプなのだから丁度いい。

「会長さまぁ…抱いて。…会長様のおちんちん欲しい…」

僕の彼氏はこういった男がタイプなのだ。

「ちゃんと準備してきたんだろうな。汚ねー穴にくれてやる気はないぞ」

僕の彼氏は潔癖症じゃないけど割と綺麗好きなのだ。

「はい。ちゃんと洗ってきました」

僕は片手をベッドへ付いて体を支えると、空いた手で膝裏を持ち、足を左右に開いて見せた。

「へー、どれ」

彼氏はベッド脇のチェストからローションを出すと、僕のお尻の中にそれを流し込んだ。
冷たいそれにびっくりして、体が細かく跳ねる。
それがなんだか不様な気がして、彼氏の体にしがみついて誤魔化した。

「会長さまぁ…会長さまぁ…」

しがみついたのをいい事に、そのまま彼氏の唇に吸い付いた。
すると彼氏の舌が僕の中に入ってきて、縦横無尽に動きまわる。
僕はその甘い舌に酔いしれた。

ローションを入れられた僕のお尻は、次には彼氏の指を入れている。
慣れた手付きの彼氏の指は、けれど僕の一番感じる所を時折掠める程度で、とても意地悪だ。
僕はキスの合間に「ん、ん、」と息を漏らしながら、腰を揺らして催促した。
すると意地悪な指が抜かれてしまう。
(そんなぁー)反射的に思った直後、硬く太く熱いものが下からお尻を突き刺した。
堪らず仰け反って悲鳴を上げる。
激痛ではないけど、少しの痛感と異物感、そして予期せぬ唐突な快感と満足感。

「あ"あ"あああああっ」

彼氏は僕の悲鳴をものともせずに、下からお尻を突き上げ続ける。
そのリズムに合わせて僕の体が跳ね、「あ、あ、あ、」と小間切れに声が漏れた。


僕の彼氏はエッチは好きだけど絶倫じゃない。
絶倫じゃないけどなかなかイかない。遅漏だ。
だから一度のエッチで何度か体位を変える。
暫く対面座位で揺さぶられていたと思えば、そのまま押し倒されて正常位。
僕は正常位が好きだ。
正常位だと彼氏を見つめる事ができるし、なにより、彼氏が僕の性器を擦ってくれるから。だから僕は正常位で大抵イってしまう。

「ぁ…イっちゃったのっ…あっ…あぁん」

何度も言うけど、こういった男が彼氏のタイプなのだ。

「俯せになれ」
「…ぁ、は…い」

俯せになると、腰を持たれて四つん這いの形をとらされた。
それからまた激しい律動が始まる。
暫くして、激しい律動に耐えかねた僕の足が、四つん這いを保てなくなる。
全身をペタリとベッドに付けた状態になると、開いていた足を彼氏に閉じられた。すると彼氏が僕の背中に被さるように重なって、それからまた律動が始まった。

だんだんと律動の速度が上がり、激しいものへと変わっていく。

「ぁぁっ…また…またでちゃう…でちゃうのっ」

しつこいかもしれないけど、こういった男が彼氏のタイプなのだ。
案の定、僕はイってしまった。
そして遅れて彼氏が僕の中でイった。


二人でふー、ふー、と荒い息を吐く。
呼吸が整うと、僕の上に被さっていた彼氏が離れていく。そしてベッドから降りるとバスルームへと歩いていってしまう。

「片付けたらさっさと出ていけ」

いつもこうだ。
彼氏はベタベタとずっとくっついているのを好まない質なのだ。
それは分かってはいるけど、たまにはピロートークだってしたいし、一緒に寝たりもしたい。
でも彼氏は怒ると恐いし、好きだから我が儘を言って負担をかけたくない。
学業に加えて生徒会の仕事もあるから、彼氏は年中大変なんだ。
そんな彼氏の恋人である僕は、彼氏の良き理解者であり癒しであり、支えにならなければいけない。
負担を軽減してあげる存在の僕が、負担を増やすなんて言語道断なのだ。

僕はベッドシーツを新しい物に変えて、汚れたシーツを抱えると、彼氏の寮部屋を後にした。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!