夏ホラー2007作品集 春野天使「呪いの手」 ◆春野天使「呪いの手」 ◆あらすじ ある夏の日。小学生の一磨(かずま)と美菜(みな)は、寂れた古い神社に遊びに行った。その古いお堂には『呪いの手』と呼ばれる鬼の手が奉られているという。呪いの手を見た者は、三日後に死ぬ。美菜は神社の古くからの言い伝えを信じて怖がるが、一磨は一人小さなお堂へと入って行く……。 ◆キーワード・カテゴリ 現代(モダン)、小学生、ホラー ◆文字数 9227文字 ◆出だし150文字 紺野(こんの)美菜(みな)は、一両編成の電車から小さな無人のプラットホームに降り立った。プラットホームを取り囲むようにそびえる山々からは、一斉にセミの鳴き声が押し寄せてくる。 美菜は鍔の広い帽子を目深に被り、手をかざして空を見上げた。山の向こうから湧き出るような入道雲。真夏の空は鮮やかな青色をしている。 ◆読者様へメッセージ 読んで下さってありがとうございます! 八月になってからようやく書き始めた作品で、「夏ホラー」に参加出来るかどうかも不安でした…。予定していた洋物ホラーを変更して、古い神社にまつわる呪いの話にしました。割と近くにこの作品に出てくるような寂れた神社があり、そのイメージを参考にしました。 猛暑の夏。少しでも涼しい気分になっていただけたらと思います。 [前へ][次へ] [戻る] |