入隊試験、来る! トコトコと、幼稚園まで歩いて行く伊織。 山本はその後ろ姿を見て伊織の所まで小走りで走って行く。 「よっ、伊織!」 「武兄たん!はよーごじゃいましゅ!」 「はよ!今から幼稚園か?」 「あい!」 じゃ途中まで一緒に行くか!となり山本に抱っこされつつ、幼稚園へと向かった。 (ちなみに幼稚園は並中の近く。) でも、それを快く思わない人物がいる。 それは………、 「なっ!あいつまた十代目に!」 そう。獄寺隼人。 命の恩人(大袈裟)である伊織に必要以上に構う山本武が憎いのだ。 「俺だってまだ十代目のもち肌に触った事ねぇのに、抱っこなんて以ての外…ブツブツ。」 「(獄寺…。)山本武。あいつもボンゴレに入れる予定だ。」 「なっ!考え直して下さいリボーンさん!今ならまだ間に合います!」 「伊織の承諾済みだ(嘘)」 「ち、ちくしょー!!」 叫びながら走り去る獄寺を見てリボーンは「作戦成功。」と笑った。 ーーー午後 並中を探索してたら獄寺と山本の睨み合いを発見した。 会えた喜びと朝会ってないのとで獄寺に飛びつく。 「隼人兄たん、こんちゃー。」 「なっ!十代目!」 抱っこ、と両手を広げる伊織に、近くで見ていたリボーンは「よかったな、獄寺。念願かなったぞ。」と呟いた。 「なっ!俺なんかが十代目を抱くなんてそんな事出来ません!」 「言葉からしてアレだぞ。もちっと慎め。」 「伊織、こっち来るか〜?」 「果てろ!野球馬鹿!」 「まぁ、待て獄寺。アレをやるぞ。」 アレ?と傾げる獄寺にリボーンはニヤリと笑う。 「入隊試験だ。」 「! 成る程!さすがリボーンさん!」 「おっ、何かおもしろそーだな!」 「試験に合格すればボンゴレファミリーに入ってもらう。」 「ぼんごれ?」 「イタリア最強のマフィアだ。ちなみにボスは伊織だぞ。」 「はは!そいつぁナイスな人選だ。んじゃ、頑張んねーとな!」 ヒョイと伊織を抱き上げる。 それを合図にリボーンは攻撃を始めた。 「おっと。最近のおもちゃってリアルな〜。」 「武兄たん、早ーい!」 「ん?そーか?」 なんとも天然で余裕である。この二人は。 「獄寺、お前もやれ。」 「へ!?いやしかし……。」 「これも山本のためだ。」 「そうか、爆風に紛れて亡き者に…!十代目ー!山本から離れてください!」 「せめて前半の言葉だけは隠せ。」 また一つ、苦労が増えるかもしれないと思ったリボーンだった。 その時、激しい爆発が鳴り響いた。 「がははははー!五歳児なのに学校に来たボヴィーノファミリーのランボさんだもんね!」 「ボヴィーノ?聞かねぇ名だな。それに一番すげーのは十代目だ!」 「ま、二歳児が学校に顔パスで入ってんだからな。」 「リボーンさん、どうしますか?」 「構わず続行。」 ムシされた事により、ランボは泣きながら10年バズーカで大人ランボになり、獄寺とリボーンはシメとばかりに今まで以上の攻撃をして来た。 「シメはロケットランチャーだ。」 「2倍ボム!」 「エレットゥリコ・コルナータァァァァァ!」 一斉に来る攻撃を山本は冷静に見ている。 と、言うのもさっきから伊織とどこに逃げようかと話してるからだ。 「武兄たん、あっちは危ないよ。」 「おっ、じゃこっちか。しっかり掴まってろよ。」 「あい!」 ドガーン!!!!! 「はっ!十代目!!ご無事ですか!?」 忘れてたわけじゃない。 我を失ってただけだ。 煙が晴れ、中から出て来たのは、山本。そして、 「十代目ェェー!!!!」 山本の腕の中から素早く奪いギュウギュウと抱きしめる。 「なんだ。普通に抱けるじゃねぇか。つか、獄寺キモいのな。」 「うっせー!安否確認だ!あとキモいは余計だ!」 こうして山本がボンゴレ入を果たし獄寺と右腕を争うようになった。 「あ、ママのお使いがあったんだ〜。リボてんてー一緒いこ?」 「ああ。じゃあな、獄寺、山本。」 「ばいちゃー。」 「お疲れ様です!十代目!リボーンさん!」 「気を付けて帰れよ、二人共。」 −−−−−−−−−− 獄寺達は、このあと授業。 そして放課後、沢田家に遊びに← [*前へ][次へ#] |