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堕ちた先には

「転入生を紹介するから、みんな席について。」


がらりと教室の扉を開け担任が入ると、にわかに教室の中が騒がしくなり、女子生徒たちの中から黄色い歓声があがった。


その理由は、担任に続いて颯爽と入ってきた、長身で端正な顔立ちをした少年にあった。


「貴堂くん、自己紹介してもらえるかな?」


担任に促され、転入生は透き通った声で自己紹介を始めた。


「おはようございます。貴堂煉です。親の仕事の都合もあり、編入することになりました。みなさん、宜しくお願いします」


女子の間から黄色い歓声が上がった。


転入生は自己紹介を終え、頭を下げた。次に顔を上げたとき、切れ長の瞳が細まり、僕の視線をとらえ、微笑んだように見えた。


「…煉…?」


渚は小さく双子の弟の名を呟いた…。



視線の先には、3年前に別れた双子の弟



―貴堂煉がいた…。


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