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堕ちた先には

「おはよう、透。」


渚は手櫛で髪を整え直しつつ、透に挨拶を返した。


「朝から、そんなあくびしていると、可愛い顔が台無しだぞ」


そんな僕を見て、透はクスリと笑った。


「可愛くない―!」


透の手の甲を軽くつねり、上目ずかいに見返すと…


「…///」


透の顔が朱に染まった。
透は額に手を当て、小さな溜め息とともに、呟いた。


「…はぁ〜、その顔反則…無自覚(ボソッ)」


……?


「渚、お前はわからなくていいよ」


透は苦笑いを浮かべ、キョトンとする渚の頭をポンポンと軽く撫でると、前の席に音を立てて腰を降ろした。


「あっと、そういえば、今日、うちのクラスに転入生が入るってさ。ただ、残念なことに男だけどな。クラスの男子の奴らは期待していた分、しょぼくれていたよ。まあ、逆に女子はきゃあきゃあ騒いでいたけど。顔は分かんないけど、編入試験が満点っていう話だから、頭はすごく良いみたいだぜ」


だから、教室がいつもより騒がしかったように感じたんだ。


まあ、透はもてるから、転校生が女の子であったとしても、あまり騒がないのかな。


裏庭に呼び出されて、告白されることも、しょっちゅうあるし…。
ただ、なぜか未だに彼女はいないみたいだけど。


好きな人がいるって言っていたけど。


透が好きな女の子って、どんな子だろう。


確かこの間学年で一番といわれる美少女藤崎香奈さんからの告白を断ったっていう話だから、よほど可愛いのかも。


でも、透から告白されたら、きっとその女の子はすぐOKするだろうな。


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あきゅろす。
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