堕ちた先には
5(煉Side)
―嗚呼、やっと会えた
君に会えなかった時間がなんて長かったことか……
愛する、愛する俺だけの渚
愛らしい容姿は変わらないね……
俺が世界の中で愛する唯一の人間(ひと)
もし、世界が滅びても俺と渚だけがこの世にいればいい。
いや、むしろ二人だけであったらよかったんだ。
そうしたら、渚の綺麗な瞳には俺だけしか映らない
他の奴らも可愛い渚を見ることはできない
俺だけのものになるのに
君がいない3年間は気が狂いそうだったよ……。
俺が俺で居られなくなりそうな気がした。
息苦しくて、寂しくて、冷たくて…暗い海の底にいた。
でも社会的地位と権利を手に入れる為の……これから渚と一生過ごしていくための布石だと思えば、何とか耐えられた……。
渚を守るには感情だけでは足りないのだと思ったから……。
力が必要なのだ。
渚を俺のものにする力が……
渚を守る為の力が……
渚の顔や声、仕草を思い返すだけで、俺の心は歓喜に震え、体の奥が熱くなる。
愛してる、愛してる、愛してるよ、渚……
早く君の声が…聞きたい
早く君の体を抱きたい
君の熱を感じたいよ
いい子にしていれば、俺の鳥籠の中で大事に飼おう
これからは、もう二度と離れない、離さない
ずっと一緒だよ……
俺だけの渚……
壊れそうなほど、君を愛そう
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!