采は投げられた
4
温ったけぇ‥‥
兄貴の感触‥
腕が背中にまで‥
俺に強く抱き着いていた腕の中にいた兄貴が
パッと弾かれたように顔を見上げる
「すっげーな、サイ!!今のめちゃんこカッチョイーっ!
飛んだぞ!ガンダムみてぇ!」
上目遣い!!
ぐわ!可愛い!!あぁ〜〜それ、ヤベぇよ兄貴!!
「サイ?」
「〜〜ッ!あ、ああ兄貴‥‥あのよ、何でここに?」
兄貴のあまりの可愛さに魅入っていたてめぇ自身に
ホトホト嫌気がさす
「ん?おっ!そーだ、これ忘れただろ?」
そう言って兄貴が目の前に出したのは
「弁当?」
「おう!昼に間に合って良かっただろー?」
何の事ないように言ってるけど‥
この為だけに来てくれたのかよ
飯なんて、買ってもいいのに‥
嬉し過ぎて
俺、やっぱ兄貴の事‥‥
「ありがとうな、兄貴‥」
「おう!目一杯感謝しとけ!」
「ッ!!」
眩し過ぎだ、兄貴‥
『神谷が礼を言った!笑った!』
ザワザワと周りがうるせぇが、それも気になんねぇ
それぐらい兄貴の笑顔は、俺にとって絶大で
めちゃくちゃ弱ぇんだ
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