采は投げられた
3
「テメェら、そこ‥退きやがれェェェェェェ!!」
考えるよりも、兄貴が居る下に向かって吠えていた
一斉に下に居る奴らが上を見上げる
それは兄貴も同じく
俺に気がついた兄貴が、満面の笑顔で手を振ってくれて‥
くッ‥兄貴‥か、かわい!!
「え!神谷!?ここ2階!」
「やめろ、神谷!!」
何をしようとしたかを察知した二人が、止めようとする
でも、窓の桟に足を着いた俺の行動の方が速かった
足に力を込め、床を蹴る
窓の縁を掴み、その勢いをつけたまま
飛び下りた
ワッ!
と、後ろから上がった悲鳴が小さくなる
体と顔に風がビシバシ当たり、着地の瞬間足に衝撃が走る
顔を上げれば、ビビりまくっている奴ら
こいつら‥
俺の兄貴に何してやがる!
「‥‥ら、テメェら!!
退けェェェェェェ!!」
「おぉっ、サイーー!!」
群がる輪を目掛け駆け出した俺だったが
その中から出て来た兄貴に
「あ、あああ兄貴!?」
抱きしめられて‥
ヤバい‥‥俺、すっげー嬉しい
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