采は投げられた
3
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「神谷 采」
予鈴の音が響き渡る廊下で、はっきりと俺の名前が呼ばれる
俺を呼んだ人物
確か‥‥乃木つったか?
「ぁあ?ッんだよ‥‥」
「何でお前はいつも授業を受けないんだ?」
「はっ!委員長さんが何聞いてくると思いきや‥‥
つまんねーに決まってるだろーが!」
先コウでもねぇくせに!
グタグタ文句言うんじゃねーや!
とっとと自分だけの場所へ行こうと歩を進めた俺の後ろから
「‥‥‥違うな」
「は?」
「お前は嘘をついてる」
きっぱりと断言しやがった
(何で、てめぇ自身の事なのに‥‥
コイツに言われなきゃならねぇ!!)
「な、に!テメェ何が言いてェェェ!!」
「本当はお前、教室に居たいんだろーが」
一瞬
息が詰まる
「な!な、」
「教科書忘れたからって、そんな事で悩むな!
今時、廊下に立たせる先生はいないから安心しろ
よし、教室に戻れ神谷!」
「ち、違ェェェェェ!!
〜〜〜ッメェの指図、誰が受けるかッ!」
「ハハハッ指図じゃない、命令だ!」
「!!!!
て、テメェェェェぶっ殺す!!」
「ん?何でだ?」
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それからだ
毎日、毎日こいつは俺を見ては
『教室に来い!』だの、『俺が言っているのに、何で来ないんだ』だの
終いにゃ『お前は俺の近くに居ろ』
だと!!
何様気取ってやがるか分からねぇーが、俺の事恐がりもしねーで
こいつも市と同じように、付き纏って来やがる
いや、市より若干タチが悪ィ‥
何でか分からねぇがこいつからは
‥‥‥ちッ
とにかく、俺はコイツが
いけ好かねぇッ!!!
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