采は投げられた 3 □□□□□□□□ 「神谷 采」 予鈴の音が響き渡る廊下で、はっきりと俺の名前が呼ばれる 俺を呼んだ人物 確か‥‥乃木つったか? 「ぁあ?ッんだよ‥‥」 「何でお前はいつも授業を受けないんだ?」 「はっ!委員長さんが何聞いてくると思いきや‥‥ つまんねーに決まってるだろーが!」 先コウでもねぇくせに! グタグタ文句言うんじゃねーや! とっとと自分だけの場所へ行こうと歩を進めた俺の後ろから 「‥‥‥違うな」 「は?」 「お前は嘘をついてる」 きっぱりと断言しやがった (何で、てめぇ自身の事なのに‥‥ コイツに言われなきゃならねぇ!!) 「な、に!テメェ何が言いてェェェ!!」 「本当はお前、教室に居たいんだろーが」 一瞬 息が詰まる 「な!な、」 「教科書忘れたからって、そんな事で悩むな! 今時、廊下に立たせる先生はいないから安心しろ よし、教室に戻れ神谷!」 「ち、違ェェェェェ!! 〜〜〜ッメェの指図、誰が受けるかッ!」 「ハハハッ指図じゃない、命令だ!」 「!!!! て、テメェェェェぶっ殺す!!」 「ん?何でだ?」 □□□□□□□ それからだ 毎日、毎日こいつは俺を見ては 『教室に来い!』だの、『俺が言っているのに、何で来ないんだ』だの 終いにゃ『お前は俺の近くに居ろ』 だと!! 何様気取ってやがるか分からねぇーが、俺の事恐がりもしねーで こいつも市と同じように、付き纏って来やがる いや、市より若干タチが悪ィ‥ 何でか分からねぇがこいつからは ‥‥‥ちッ とにかく、俺はコイツが いけ好かねぇッ!!! [*前へ][次へ#] [戻る] |