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・13/12/23 自警団詰め所 encounter:ギルバート/ユベルティ/べリア/オールド13

今日は疲れた。私が聞いた案件だったから、そのままギル君を連れて会議。適当に団員に集まってもらって、あとは意見の聴衆と収集した結果と統計を上層部に提出。

ギル君には前もって手紙は向けていた。夜来さんの話を一番に聞いていた彼は、やっぱり事情を通すには一番分かり易い相手だろうから。状況の飲み込みは早かった。そして情報も。その中心人物を探している者を見付けた、つまり関係者の目撃情報も手に入れた、との事らしくて。来てもらえて良かった。

オールド13の案件。事件は今月16日に街の酒場にて男が暴れているとの通報、駆け付けた自警団員が酒場前で居眠りしている所を逮捕、連行。誤認逮捕の可能性は限りなく少なく目撃者は複数、そして証言も取れている。状況はここからスタート。

ユベルティも丁度、その辺りで来てくれて。街の意見もとっても大事。賞金首の資料を持っていたけれど、冒険者として討伐も行う人だったっけ、とは。私を追った事の理由は、何だったっけ。だけれど、最小の釣り針として、彼には居て貰った。今は、とっても頼もしい一人だ。

状況。通報にて逮捕そして連行。罪状としては殺人未遂。カットラスを酒場内で抜き、振り回した。殺意の有無は不明であるが明確に人に向かって怒鳴りながら振り回した模様。また、下半身露出を強要させた疑い。
犯人の名はオールド13、ザリガニ獣人。所持品はカットラスが六本収納可能な円筒鞘二つ、硬質な機械鎧。冒険者や賞金稼ぎの類に類似する兵装と見られる。

本題としては、翌日被害者本人からの被害届が提出され、「ここは、罪を犯しても、ごめんなさいで許して貰える街だ」との発言が認められた模様。報告者でありその直接的な被害者はこの街の定住者ではなく、そういう街なのか、という問い合わせも兼ねて自警団へ訪問をした。

「街の為の自警団員。市民あってこその自警団。彼らの為にオレらは存在する」、ギル君の言葉。その通りだ。

「ちゃんとやってるんだから、少し面倒くさいことを言われたからって慌てないこと」、ユベルティの言葉。自警団は動じちゃいけない。

それらを踏まえた上で、オールド13が保釈金を揃えて釈放される可能性が出てきた、そういう問題に直面するんだ。

ユベルティは、盾で剣なのだから裁くのは専門外、と言っていた。その通りだ、私達は無知で、どうしようもない。だけれど、正確に、こういう考えを持っている、という事を集団の意見、そして街から見ても公平に、平等に見定める必要がある。そういう会議の場だった。

最大の論点は、自警団に謝れば出してもらえるのかと、そんな不信を持った市民の不安を、こんなもので拭えるかって所。
結局の所、ユベルティの言う通り間に受ける必要は無い、っていうお話ではあるんだけれど。もしも、それが通ったとしたら、私は夜来さんに申し訳が立たない。だからこそ、正式に、考えようと思っていた。

べリアが来たのは、ギル君が呟いたタイミングだった。200万Gで外に出れる。その200万Gで外に出たのがここにいるんだけれど、それはどうするんだ?って。

どうするかを、この自警団員が沢山いる中で、態々言う事だろうか、とは思ったけど。皮肉の様に、まるで蛆虫の様に、と。もう、場所を弁えて欲しいのだけれど。
反省してるか、それが見えない。分からない。こっちに敵意を向けるように見えるのなら。相応に弁えるべきだと。

ともあれ、ギル君の話。ザリガニはどこいった、船長を探してる、その内容からしてビンゴだ。商店街で堂々と、というのも凄い話。触手みたいな髪、って言ってて。
問題点は、「もしザリガニを捕らえていたり殺していたりしたら、その時は覚えていろ」って台詞。その時は覚えてろの状況を私達は既に確立している、という事。

と、頭を悩ませていると神父さまから、ケーキの差し入れ!中はプチケーキ三種類が各20個ずつ!近くの美味しいお菓子屋さんから、らしい。とっても美味しかった。クリスマスは最高だね。

というか、クリスマスに何してるんだろう。

襲撃の可能性、迎撃は容易いけど、人質に取られると厄介かなって。
懸念は二つ。報復と、長期滞在の強要。前者に関しては先程言った通り自警団詰め所への襲撃の可能性。卑劣な海賊であった場合に人質として市民に被害が出る可能性。後者に関しては捕縛、投獄を続ける事でその組織がこの街に留まり続ける可能性。
だからといって外に出すとすれば、罪を犯しても、ごめんなさいで許して貰える街だ、との言葉の通りにもなる。

ユベルティは、よく調べてから、って言ってて。ギル君も、やっぱり話してみてから。それからでも遅くはないか、って。


そこで、ベルナートが駆け込んできて。一枚の紙、報告書には、オールド13は保釈金を払えなかったそうな。宿屋のおばちゃんが、って言ってたから調査を向けた所、そんな話はなかったようで。

ぽかーん、とする私とギル君をよそに、ユベっちだけが普通にケーキを選んでた。動じないんだなー。

慌てないこと、とっても大事だけれど。会議の方向性は、それで飛んでいっちゃって。


あとは、うん。


まぁ。



がんばろう。






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