・13/04/10 自警団詰め所 title[考察2] まとめその2 ・目的の為の目的 まず今の私は終身刑だ。それは、変わりないし不変だ。けれど大量殺人鬼として存在している。真相はどこまでも不明瞭で、そしてギル君や神父さまに語った様な街への手助けは不可能に過ぎる。面会の時、卑怯だけどという言葉と同じく罪を下げる、とも言った。それを幾らか考えていく事にしたんだ。つまり、私が大量殺人鬼として今生きているのではないという証明をする為の手段を。 もう二度と人を殺さないという、絶対的な証明を。 ・必要なもの これに関してはとても難しいものがあった。ギル君とも幾らか話したけれど、元凶ゼルサリスは既に存在が消失している。けれど、その剣は残っているようだった。資料として持っていた掲示板に張り出されていた紙によると。それがある意味唯一の物的証拠、かもしれない。私の身体に術式が残っているか、というのはギル君じゃなく流石に専門家にしか出来ないと思うが、本当に完全に消え去っているとは思う。どこも赤いところは無いようにも見えるし。背中とかどうだろ、見えないし。今度、いや、やっぱダメだやめとこ。 物的証拠が揃えば、それを裏付ける証言が必要だ。本来二人目の赤禍ツ、ゼルサリス=プロスメギテルスを殺す為だけに誘導した、通称釣り針達をこんな形で使う事になるとは思いもしなかったけれど。今は大切な友達だ。9人の交戦者、二人目の赤禍ツを殺した者。その者達から物証となる剣を裏付けてもらわなければならない。 証拠と、証言。その二つだ。 ・証拠の在処 これもギル君と幾らか見当は付けてみたけれど。最終的に剣が物的証拠として良いだろうと思うが、実際にどこにあるのかは全く分からない。だからここから先は憶測だ。エルフの自警団員、フィリスト=レガリスが怪しいと見た。そもそもの二年前の私が赤禍ツとして殺そうとした、そして死にかけた逆恨みという行動でもある自警団としての殺害許可、あまりに唐突過ぎる文面や調査をしたというのに何もなかったと切り捨てた早さ、事件を終えた後の証言の隠滅、結果的に二人目の赤禍ツの点に関しては情報が皆無に等しい。そして決定的だったのが私の名、ヴァイス。そう仮の名をと付けたのがフィリストだった。徹底的な逆恨みの可能性、そして未だにか、それは不明だが二年前の調査の段階で持っているとしたら彼以外には、思い当たらない。 彼は二年前の調査終了後、港の倉庫街近くの詰め所に移った。本当にあるのかは、分からない。 ・不明な点 そもそも何故フィリストが私の名を変えたのか。影響としては、表向きには騒ぎにならない為で、実質は赤禍ツの事件の隠蔽、再調査としても資料上には私の名として映らない事か。かなり影響が出てる事には違いないけど。そして5月には消えるのだから、些細な事だとしても上には問題ないのかな。どうやって掛け合えたか、も一つの疑問だ。 もう一つ。隠蔽する必要性だ。私が多くを殺した事には違いない。故に終身刑はどうあろうと免れはしない。だからこそ呪いの件も、二人目の赤禍ツが判明したとしても何一つ問題は無い筈だ。つまり、単純に考えて見付かると相手に不利益が生じる、という事。その不利益を考えなければならないかもしれない。罪を与えるにしろ、どちらにしろ私は終身刑の身だ。向こうの不利益、か。 赤禍ツの呪いは消えた筈だ。術者の死と共に遠隔的なそれは。メルガス盗賊団の中でラゼット達がモルンニア近くまで行って調べ上げてくれた情報は、間違っていないとは思うけれど、2年前の情報でもあるからなぁ。 どうにも、難しい所だ。もうちょっと相談か、もしくは一度行ってみるか。これ以上は全て憶測に過ぎない。事実が、必要か。 [↓old][new↑] [戻る] |