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・13/03/23 自警団詰め所 encounter:ラクリモーサ/コール/フランソワ/ワイゼット
喜べない、気に入らない。罪を犯していた頃よりも、もっと。

その理由は分かっている。尚更同じだと思えたからだ。卑怯さも我が儘さも同じなんだ。エゴの為に償いを一旦何処かに置こうとしている。それが今すぐ殴り飛ばしたくなる程に気に入らないんだ。そして私自身も抱えたからこそ、同じく。

死ぬ場所も選ばせてくれなかったんだ、一年前は。そんな権利など無いと言われ続けた。神父さまにだって。なら尚更、被害者はそう願うよ。

権利なんて無い、独房で死ね。ってね。

神父さまと少し前に会った時に話した言葉を思い出した。絶対に殺さない証明、保証、根拠、証拠。それが貴女にはあるのかな。私は曖昧だ。此処に居る理由、5月までの調査次第と言えるけれど、良ければ私には証明が手に入る。その真実さえ見付かれば。
嘘も偽りも無い、絶対的な。人をもう二度と殺めない証明。ただの人である、証明。

犯罪者である事は拭えない。そんな事は知っているし私の心の弱さが引き起こした事は事実で償いをやめる気はない。けれど、どこまでそれが客観的に見えるか。その証明は貴女にはあるのだろうか。

誰が信じるのだろうか。信じる明確な証明は、あるのだろうか。

自身を棚に上げて語っていた事は自覚しているよ。卑怯な事も前から知っている。そうしてエゴを貫き通そうとする事も理解している。だからこそ、自身を見ているようで本当に虫酸が走るんだ。

やっぱり昔の私も嫌いだけれど、今の私も好きになれていないのかもしれない。

正直な想いを抱けば抱く程にエゴとして見てしまう。神父さまは生きる為にはエゴが必要って言ってたけれど、赦される域というのは、その境界線というのはとっても難しい。

赦せるか、赦せないか。街の客観、だからこその目に見える償い。

愛は厄介だと私も思うよ。でも、知れたのなら。私は純粋にそれを喜べるんだ。


神父さま、やっぱり自分自身を愛するのは今の私にとって、とっても難しい事らしいんだ。ラクリモーサを憎いのは、私が私自身を憎いのに等しい。

想いと言葉が背反しているんだ。だから自分を赦せもしない。向こうも分かってる、謝る意味も、私は理解している。同じだから尚更分かるんだ。愛しているが故に、愛しているがあまりに、償いから眼を離す意味を。

それ程までに愛せる相手が出来たんだと、同じだからこそ分かる。


卑怯だよ。私も貴女も。


多分、それでも私の方が、ずっと、もっと卑怯だろうけれど。


きっと、あの人を好きになれない限り、自分を好きにはなれない気がする。
逆か。自分が好きじゃないから、あの人を好きになれないのかもしれない。

あ、結局どっちなんだろ。



目的が一つ減った事が寂しい訳ではないよ。うん、多分。


そして、興味が無くなった訳でも、ない。


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