[携帯モード] [URL送信]
・13/03/19 自警団詰め所 encounter:ギガトール
とても嬉しくて、でも生きてることが困って、幸せで、とても難しいんだ。
考えてもどうにもできなくて、けれどそれで構わなくて、エゴだからこそ私が手を引けるんだけれども。それでも、生きてる内でたった一回の、たった一日の幸せな瞬間を、見守りたくて。その日を待ちわびて、けれど無意味で、それでも諦められなくて。

だから利用するって言ったんだ。自覚はしてるよ、卑怯だって。けれど、それを言って分かったんだ。守りたくもあるって。そういう力の使い方があるんだって。あの脱獄事件の時の様にも思えた事。あの勘違いの言葉が産んだ、信じてみてもいいこと。

出る為の利用じゃなくて、私が守りたいと望む事を想う。そう、考えたんだ。

必要なのは証明と保証。絶対的な。あれも卑怯な言い方をしたが、罪を下げるという言葉を使った。あれは、ちょっと言葉の間違いかな。もう二度と人を殺しはしないという保証、それを手に入れるという意味。
言葉や思いの虚言ではなく、明確な証拠、根拠。自警団を頷かせる、街に理解させる証明。
ゼルサリスの事は、何も無いままに。セシリアの言葉は受け入れられぬまま。当然だろう、自警団員の一人を私は殺し損ねた、そして、未だに居るのだから。生き証人が居る。私という絶対的な悪を証明する者が。

でも、神父さんが来てくれて、それだけで凄く、気持ちがすっきりした。あんな別れ方は、無いよ。互いに背を向けて、あの赤い夜は終わったんだ。大好きだったのに、被害者で加害者だった私には分からないと、苦しくて、怖くて。だから、って思ったけれど、セシリアが生かしてくれたから今生きて、幸せで、神父さまとも笑えた。こんなに嬉しいことは、ないよ。

セシリアにビンタされるのかな?ちょっとそこは気になるところ。加減するよ、きっとあの子はさ。

ちゃんと持っておくよ、このハンカチは。また会う時に。その時に。


私は二倍幸せ。伝言も、昨日の言葉も。本当に大好きだよ。


[↓old][new↑]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!