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運び屋 青木瞬介の日常
俺のやる気を見ろ!

「横流しだったら警察に行けば良いんじゃねえ?」

 彼女の話を聞いた後に俺は、素直な感想を述べたが、玲児の奴は鼻で笑って言った。

「警察に行けるもんならとっくに行ってるさ。彼女が知らない内に片棒を担がされてた事を信じて貰えればね」

 確かに、信じて貰える確率はかなり低いだろうな。

「じゃあ、俺は何を運べば良いんだ?」

 玲児はニヤリと悪魔の微笑みをして言った。

「そりゃあ、シュンは彼女が命令された荷物を運ぶのさ。そして……ここでオレの出番になるね」

 玲児の出番とくりゃ、もちろんアレしかないじゃねえか。

「やっぱり盗むのか? 」

 俺の言葉に玲児は余にも恐ろしい顔をして言いやがった。

「……シュン、殺すよ?」
 綺麗な顔なだけに、怒ると怖いぜ。
 ましてや玲児のヤツは尋常ではない殺気を放つ。
 まるで、本当の殺し屋の様な……

「ま、いっか〜そうだよ。オレが頂く。そして奴を焙りだして始末する」

 俺は思わず喉を鳴らし、玲児に聞いた。
 だってよ、コイツが言うと冗談に聞こえないんだよ。
「始末するって……まさか!」

「馬鹿だなあ〜本当に殺す訳ないだろ? 社会的に抹殺するんだよ。ヤツが、もう二度と悪い事が出来ない様にさ」

 玲児が得意げに、言ったのだから大丈夫だと思った。
 軽いヤツだが、嘘は嫌いだからな。

「あの、どうかよろしくお願いします」

 俺達の話しの成り行きを見守っていた彼女が、パッと明るい表情になり、立ち上がって頭を下げて言った。
「良いんだよ凪子ちゃん。オレ達に任せておけば大丈夫さ」

『玲児のヤツは妙に女子供に優しいからなあ。ま、大丈夫だろ』

 久しぶりの《裏》の依頼に、何処か心が踊った。
 よお〜し、やってやるか! 《運び屋》の腕が鳴るぜ!

 決行は明日の午前11時ジャスト。
 場所は彼女の勤める、デパートの二階に決まった。

 啓介兄のケーキにフォークを突き刺し、俺はやる気んまんに一口で食べて喉に詰まらせたのだった。



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あきゅろす。
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