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僕の瞳に映るあなた


 あれから…涼と僕は、お互いを避けながら、生活している。
毎朝、僕を起こしに涼が部屋へ来る事も無い。

「まった、遅刻かよ竜……姉ちゃんはチャンと来てるのにサァ。」

 片桐の奴にまで、言われる始末。

「うるせえ……」

 片桐に迄、言われる様じゃ世も末だ。
同じクラスに居るのに、涼の方を見ない僕に、片桐も何か有るのを感じてる様だ……
しきりに、涼の事を話題にするから、好きなのかと思ったが違うらしい。

「喧嘩したんだよ。
悪いか! 」

 きつく睨み付けた僕に、片桐はもう何も、言わなかった。



******

 学校からの帰り道。校門の所で告白されて付き合う事になった、木村小夜が待って居た。

「美月君。一緒に帰ろ〜」
 別に、好きでもないのに告白されてOKした。
別に、誰でも良かった。
違うクラスの同級生…たまたま、タイミングが良かっただけ…何故なら、涼に分からせる為だけに…

 涼が好きな人が居ると言ったのは、嘘だ……
何故か分からないけど、僕にはそう感じた。

 だから、他の女と付き合う事にしたんだ。最低な…人間だ……

「ねーりゅうって呼んでもイイ?」

 小首を傾げて、話し掛ける小夜。充分、可愛いい子なのに好きになれたら、どんなに良いか……

「良いよ。おれも小夜って云うから。」

 僕の言葉に顔を赤くする小夜。罪悪感にさいなまれる僕……

 二人で、並んで帰ってる時。先に歩いてる涼が居た。家に着いた時、涼がこっちに顔を向けそのまま、
立ち止まった……


 涼の唇の形で、何を言っているのか分かった。


「竜…なんで?…」



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あきゅろす。
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